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ゲームシステムの面白さを大きく引き出す――。猿楽庁のバランス調整

ユーザーにゲームを「より面白く」、「よりわかりやすく」、「より気持ちよく」遊んでもらえるよう、チューニングという業務を手がける職人集団「猿楽庁」。今回は猿楽庁シリーズ第三弾として、チューニング業務の核となるゲームのバランス調整ついてご説明します。

※猿楽庁に関する記事はこちら


チューニングのおさらい


まず、あらためてチューニングについて簡単にまとめておきましょう。チューニングとはコンソールやモバイル、PCなどの各種ゲーム、ゲーム以外のアプリ、Webサイトなどのコンテンツが、ユーザーに快適にプレイしてもらえるよう、さまざまな提案や調整を行う業務となります。

その作業を大きく分けると……

■モニタリング

企画書段階から運営中の作品まで、さまざまなフェーズにおいて現状分析を行う業務。実際にコンテンツをプレイし、または資料を確認のうえで、表現しようとしているコンセプトがターゲットに対して魅力的に映るかを検証します。問題点を洗い出すとともに、改善提案も行います。

■バランス調整/プレイテスト

ゲームプレイをくり返し行い、進行難度や対戦難度が適切かを検証し、調整の提案を行います。ケースによっては、ユーザーのプレイ傾向を踏まえたペルソナを立て、想定されるプレイングを踏まえたデータも集計します。また、特定コンテンツのファンユーザーを実際に揃えたテストなども実施可能。外部スタッフの協力のもと、大人数のプレイデータを取り、集計結果をまとめるといったことにも対応できます。

■開発/運営サポート

プランナー業務の補助、パラメータ作成・バランス調整、ゲームステージの作成・量産などをサポート。開発途中のゲームだけでなく、運営中のゲームにおいても、ユーザー動向の調査や改修提案、追加機能やイベントデータの作成補助での協力が可能です。

このほかにもコンセプトに沿ったゲームシステムの提案、各種仕様書作成、ゲームバランス設計、パラメータ設定/調整、UI/UX検証、改善提案、各種レベルデザイン(ステージ作成/譜面作成など含む)などもチューニングの業務領域です。

すべての業務にいえることですが、単純な意見出しで終わらせず、実数値の提案・設定など、直接的な調整作業が行えることが強みになります。いずれも多様なゲームに精通した猿楽庁の隊員(※)が検証し、その結果を可能なかぎり数値化するという、チューニングはまさに職人技です。

※猿楽庁ではスタッフのことを「隊員」と呼んでいます。隊員の中には豊富な経験と知識を有する「匠」も在籍。このへんの猿楽庁の組織についてはまた後日ご紹介します。

重要な第三者視点でのバランスチェック


ゲームシステムの面白さを大きく引き出すのは、ゲームバランスによるところが大きいと言えます。前述のとおり、「バランス調整」は開発途中のゲームのモニタリング、プレイテストを踏まえ、その結果からエビデンスなどを見える化し、最適解を提案する業務です。といっても、さまざまなユーザーがプレイすることが大前提ですから、目指すべきゲームバランスの着地点をどこにするのかはそう簡単には定まりません。

ゲームによって得られる満足感をいかにして向上させるか、それがバランス調整の肝になります。

・想定されるプレイヤーの習熟度や技量に沿ったバランス設定になっているか
・進行の壁となる要素を攻略するための難易度は適切か
・システム上、強すぎる/弱すぎるといったゲームバランスになっていないか

などは、すべてを理解している開発者だからこそ逆に見えにくいところ。その意味で第三者視点でのバランスチェックは非常に重要といえます。

昨今ではオンラインでのアップデートが当たり前ですから、バランス調整の機会も1回限りというわけではありませんが、次回の修正ありきで進めると次も同じような事態を招きやすく、負の連鎖を生むので注意が必要です。

そもそも初見でゲームバランスの印象が悪いとBAD評価が広がりやすいので、リリース前に根本のバランスをできるだけ整えることが大切です。バランス調整の失敗は売上にも大きな影響を与えるのです。

猿楽庁のアドバンテージ


猿楽庁のチューニング業務における体制を少しご紹介させていただくと、基本的には数人でチームを組み、一定期間をかけてチェック項目ごとに深く掘り下げて検証を行なっていきます。

開発会社によってはチューニングを専門会社にアウトソースせず、社員をアサインしたり、あるいは一般プレイヤーを募集したりして実施するケースもあります。しかし、そういう体制では多くの情報を収集して問題の傾向を掴むという点では優れていますが、同じ体制を長期間維持することが難しく、また、アウトプットの精度が低く、ブレも生じやすいという欠点もあります。

その点、猿楽庁では少人数ながら、長年の経験と実績がありますし、何より問題となっているポイントで、どのような改善をすればどのような効果が見込めるか、といった判断と提案を行うことができます。
また、必要に応じてはさらに一歩踏み込み、ゲーム内で発生させるイベントやアイテムのアイデアを考えるといったサポートも可能です。

過去には以下のような実績もありますので、ぜひ参考にしてみてください。

●高難易度アクション(コンシューマ)

α版でのゲームシステムバランス検証/改善提案

●オープンワールドアクション(コンシューマ)

β版でのゲーム進行バランス検証/改善提案

●コマンドRPG(スマートフォン)

β版でのゲーム序盤の進行バランス検証/改善提案

●ストラテジー(スマートフォン)

運営イベントでの進行バランス検証/改善提案

最後に


最後に猿楽庁の業務対応範囲をまとめると、開発初期~リリース直前~リリース後までどのタイミングでもゲームの面白さに対する分析・提案が可能です。もちろん早いタイミングの方がより効果的ですが、それぞれの状況に合わせた最善の対応を検討いたします。

また、基本的にはレポート等の成果物として納品いたしますが、検証プレイ中の現場視察、検証後のスタッフへのヒアリング、ブレインストーミングなどにもお応えできます。

各種ゲームシステムについての強弱バランスやゲーム進行バランス、またリリース後の運営イベントなどを含む継続してのゲームバランスなど、気になる事例がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

■猿楽庁は25周年!

2024年2月16日、猿楽庁は設立25周年を迎えました。周年企画の一環として、猿楽庁のこれまでの歩み、最新の関与作品実績を「よりわかりやすく」、猿楽庁に「より相談してもらいやすく」を目的にサービスサイトをリニューアル。これからの猿楽庁に、ぜひご期待ください。

猿楽庁公式サイト

25周年プレスリリース

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