あゝ懐かしのゲーム用語②
先日投稿した「あゝ懐かしのゲーム用語①」では、ゲーム関係における今はほとんど使われなくなってきているレトロワード、1970年代後半から1990年代あたりに流行った俗語を中心に用語をご紹介しました。今回はその第2弾をお届けします。
今回も用語の意味だけではなく、その言葉が使われた背景なども合わせてご紹介します。
かくしこまんど【隠しコマンド】
意味:ゲームの仕様の一部でありながら、取扱説明書などには記載されないコマンド。【裏技】の一種。
解説:もともとはゲーム発売前の検証作業のためにつけられたもので、検証プレイを容易にするため、ステイタスを最大にしたり、ステージを選択できたりするなど、さまざまな操作が可能になる。したがって製品発売時には消去されるのが普通だが、開発者が遊び心でそのまま残したり、単に消去するのを忘れる場合があった。
隠しコマンドを探す楽しみや使う楽しみが注目された1980年代後半には、むしろメーカーが意図的にそれを組み込むことが流行し、ゲーム雑誌での掲載を期待した販売戦略としても活用された。ただし、なかには隠しコマンドがないとクリアできないゲームも出るなど、本末転倒の状況も生み出している。
現在ではプレイに極端な影響を与えるような隠しコマンドは少なくなり、おまけ要素として追加されるものが多い。有名なものに「コナミコマンド」などがある。
16れんしゃ【16連射】
意味:1秒間にボタンを16回押すこと。
解説:1980年代半ばのファミコン時代には、ゲームメーカーに「名人」と呼ばれる人が多く存在した。その実態はゲームの販促活動であり、各社の名人は広報の担当者や開発者だった(ゲーム雑誌に所属する名人もいたが、こちらは編集者やライターで、メーカー同様に自社の雑誌の販促に貢献した)。
その中でもっとも成功した例が、当時のゲームメーカー「ハドソン」に所属していた「高橋名人」である。ハドソンの最新作『スターフォース』というシューティングゲームの販促活動として、高橋名人は全国キャラバンを行い、そこで披露されたのが「16連射」というテクニックだった。
この技で当時の子供のハートをがっちりつかんだ高橋名人の物語はその後映画化もされ、作中ではスイカを16連射で割るシーンもあるほどだった。また、ハドソンからは連射を測定する玩具も発売された。
ななめざし【斜め差し】
意味:ファミリーコンピュータなどのカセット(カートリッジ)タイプのゲームを起動中にずらして斜めに差すこと。半差し、半挿し、半抜きとも。
解説:ゲームカセットを起動中に半分抜いたり、斜めに差した状態で起動することで、ゲーム画面やプログラムに異常を発生させるのが目的。裏技の一種でもあるが、セーブデータの消失や破損だけでなく、ゲームカセットやゲーム本体も破損する可能性も非常に高いため、ゲームメーカーも強く禁止していた。しかし、【裏技】の項でもふれたとおり、ファミコン時代は裏技が大ブームとなり、斜め差しを試す人が続出した。
※ゲームソフトにかぎらず電子機器のカセット類を斜め差しすることは破損の原因となります。機器を使用する際はマニュアルの注意書きをよく読んで、正しく取り扱うようにしましょう。
はいすこあ【ハイスコア】
意味:ゲームの最高得点のこと。
解説:アーケードゲームにおいては、稼働率をあげることがインカム(売上)を大きく左右する。その対策として、プレイヤー同士を競わせて売上アップを図るために設けられたのがゲームのスコアというシステムである。
スコアはプレイ内容に対する評価でもあり、高い評価を得ることがプレイヤーの満足感・達成感にもつながるが、そこへハイスコアを導入することでさらに競争という概念を持ち込んだ。これがゲームの稼働率を上げ、また、ゲームの寿命を長くすることにも貢献した。
1980年代のゲームセンターではハイスコアをめざすファンやマニアが多く集い、ゲームセンターの中には人気ゲームのハイスコア一覧表を店内に掲示する店も少なくなかった。やがてこの人気に注目し、コンピュータ情報誌『マイコンBASICマガジン』が全国のゲームセンターからハイスコアを募って掲載するようになる。ハイスコアは全国規模で競われるようになったほか、アーケードゲーム専門誌、そのものズバリの「ハイスコア」という雑誌も誕生するほどであった。
現在ではゲームも多様化したため、ハイスコアを目的とするゲーム自体は減ってしまっている。
ふっかつのじゅもん
意味:ゲーム『ドラゴンクエスト1』、『ドラゴンクエスト2』において、コンティニュープレイをする際に必要なパスワードのこと。
解説:ファミコン初期にはセーブ機能がなく、前回の続きからプレイする場合、ゲーム内で表示されるパスワードを自分でメモし、それを入力してゲームを始めるシステムが採用された。『ドラゴンクエスト』では、そのパスワードが「ふっかつのじゅもん」と称されたが、ドラクエ人気のおかげでその名称が浸透し、他のゲームのパスワードも「ふっかつのじゅもん」と呼ぶ人が多かった。
なお、当時は手軽なデジカメやスマホもない時代であり、プレイヤーは「ふっかつのじゅもん」を普通にペンなどで書き写すしか方法がなかった。しかし『ドラゴンクエスト2』の「ふっかつのじゅもん」は52文字もあったうえ、当時のテレビは今ほど画像もきれいではなく小さい文字は判別しにくかったため書き間違えする人が続出。ゲームが再開できなくなった、あるいは書き写したメモをなくした等、多くの悲劇を招いた。
ろけてすと【ロケテスト】
意味:開発途上のゲーム(主にアーケードゲーム)をゲームセンター等の店舗で公開するベータテストの一種。ロケーションテスト。
解説:ゲームメーカーが新作ゲームのデバッグ、市場調査、バランス調整などを目的として行い、一般ユーザーからヒアリングを行う場合もある。
通常は期間や店舗を限定し、事前告知もあえて行わない場合ががほとんどである。しかしゲームファンにとっては最新ゲームにいち早く触れる機会であり、プレイできたこと自体がステイタスになっていたこともあり、どこからか情報を入手したゲームマニアが積極的に参加した。
ただ、腕の立つゲームマニアがこぞってプレイすることで、ゲーム難度が誤認され、正式な公開時にはとんでもなく難度の高いゲームになってしまうこともあった。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回はゲームに関する懐かしの用語を取り上げてきました。今後、アニメ、音楽、舞台などエンタメに関する言葉も取り上げてみたいと考えておりますので、ご期待ください。
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