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思ったとおりのイラストが上がってこない……。イラスト発注のポイント

突然ですがイラスト制作において、なぜか発注意図と異なる成果物が上がってきて、

「思ってたのと違う!」

って経験ありませんか?

本来あってはならない事態ではありますが、どんなに気をつけても発生する可能性がある、そんな宿命じみた現象かと思います。

そうなった場合、リカバリーに多大な労力を費やすこととなります。
今回は、そんな事故がなぜ起こってしまうのか、またそれを避けるために気をつけるべきポイントを、いま一度確認してみましょう。


コミュニケーションの基礎の基礎


「何か違う」成果物が上がってくるということは、発注側と受注側、つまりクライアントとイラストレーターの思い描いていたものが一致していないということです。

■重要なのは希望的観測をなくすこと

言葉から想像する内容は人によってさまざまです。それがイラスト制作のようにクリエイティブな現場であればなおさらでしょう。しっかりと情報を共有して、認識をすり合わせる必要があります。

重要なのは、「伝わっていると思った」、「多分理解してくれているはず」という希望的観測をなくすことでしょう。相手がこちらの意図を汲み取ってくれると期待するのは避けたほうが無難です。したがって、だれが見ても同じ成果物がイメージできる発注指示を出すことが必要になります。

基本的にはわかっているつもりでも、現場で忙しくしていると、つい忘れてしまいがちなのは、みな覚えがあるのではないでしょうか。

明確で具体的な指示に勝るものなし


とはいえ、「誰でも同じ成果物をイメージできる」ようにするのは、意外に難しいものです。同じ説明でも、受け取る人が変わればイメージする内容も異なります。

■「カッコいい勇者を描いてください」と言われたら

たとえば「カッコいい勇者を描いてください」と言われたら、あなたはどんなものをイメージするでしょうか?

剣や鎧で装備した剣士?
己の拳のみを武器とする武闘家?
それともボロボロのマントに身を包み、眼光だけは鋭い魔道士?

ちょっと極端ではありますが、それぞれのイメージする勇者はみんな違っていて当たり前です。

しかも「剣や鎧で装備した剣士」というイメージは一致していたとしても、剣は古代ローマに使われたような大剣なのか、あるいはレイピアのようなシャープな剣なのか、鎧は頑丈で無骨なプレイトタイプものなのか、あるいは俊敏そうな胸当てのようなものなのか、それらの共有はできているでしょうか。

突き詰めれば、発注時のそういうファジーな部分が積み重なり、成果物として上がってくるときに大きな差異になってしまうのです。

■なるべく主観的な部分を排して情報量を増やす

ではどうすればいいのでしょうか。
それはもう、なるべく主観的な部分を排して情報量を増やすしかありません。

外見的な情報であれば、武器は剣なのか、その剣は片手剣なのか両手剣なのか、鎧は重装なのか軽装なのか。「カッコいい」においても、筋骨隆々の男前なのか、細身で中性的なイケメンなのか、指針が必要です。そういったキャラクターの設定、もっといえば世界観や設定の情報があると、よりそれに馴染むデザインが可能でしょう。

またその情報にしても、ただ量が多いだけでは読むだけで疲れてしまいますし、肝心の伝えたい内容が薄まってしまう恐れがあります。絶対に盛り込みたい要素、NGな表現など、優先順位をつけておくとスムーズです。

そして残念ながら、そこまで詰めても「すみません、言い忘れてましたが、今回の勇者は女性キャラなんです……」なんて想定外の事故は起こりえます。注意してしすぎるということはないのです。

視覚的な指示情報


明確な指示による成果物イメージのすり合わせが重要であることは述べました。しかしそれでもずれるときはずれますし、お互いわかっているつもりで全然わかっていないということはよくあります。

そこで重要なのが視覚的な情報です。例えば「あおいカエル」と言われて、どんな色をイメージするでしょうか? 青? 水色? それとも濃紺? それに、身近なところで言えば「アオガエル」というカエルがいます。ご存じない方もいるかもしれませんが、アオガエルの体の色は、実は緑色です。「あおいカエル」はもしかしてアオガエルのこと?じゃあ緑色にしておこう……といった具合に、思い浮かぶ要素が増えるほどイメージがずれるリスクも増えていきます。

■サンプルを見せて一発解決

このケースであれば、薄い青、濃い青、空の青、海の青など言葉を重ねるのではなく、単純に「この青です」とサンプルを見せれば一発で解決します。見せた方が早いものは積極的に視覚情報を共有するのが望ましいでしょう。

また、制作過程で修正指示をするときにも、視覚情報を添えるのはとても有効です。実は発注以上に抽象的になりがちなのが修正指示で、「もっと勢いよく」「もっとシャープに」といったコメントが多用されるケースはままあります。

理想は具体的な赤入れをすることですが、気になる箇所を赤で囲って「この部分をもっとシャープに」と書き添えるだけでもやり取りは一気にスムーズになります。

いずれにせよ「こちらのイメージは簡単には伝わらない」という前提に立つことが重要です。

当社の参考事例


ご参考までに、HIKEの前身であるキュービストが当時のイラスト制作紹介ページに使用していたTOP画像の制作過程をサンプルとして掲載しておきましょう。このときは作家様の裁量にかなりお任せしての制作でしたので大きな修正ではありませんでしたが、どこをどうしてほしいのか、指示を出す際のご参考になれば幸いです。

※なお、記事に掲載する関係で途中の過程はかなり簡略化しています。あらかじめご了承ください。

①ラフ稿

②中間稿

③中間稿に対するフィードバック

④完成稿

おしまいに


いかがでしょうか?
今回は思ったものを思ったとおりに仕上げるには、というテーマでお話ししましたが、案件によってはイラストレーターの想像力に任せる、という場面も多々あるかと思います。

その場合でも、一から十までお任せにせず、どこをどのくらい任せるのか、どういう進め方をするのか、しっかりコミュニケーションをとることが重要でしょう。思ったとおりのイラストを制作するために「なんとなく」で進めず、認識をすり合わせて、発注側と受注側の双方にとって無駄のない進行を心掛けたいものです。

■グラフィックブランド「Trigono」

HIKEのグラフィック「Trigono」(トリゴノ)では、パートナーとしてのグラフィック制作を徹底しています。単にグラフィックを請負って制作するのではなく、デザイン提案やクオリティラインを一緒に考えていくところから対応いたします。ぜひお気軽にご相談ください!

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