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はじめての展示会ブース設計を考えるご担当者様へ

昨年の東京ゲームショウ2022においてHIKEは、前身となるキュービストとCREST、ポールトゥウィン・グループのポールトゥウィン株式会社、PTWジャパン株式会社との4社合同ブースを出展しました。

今回はその展示会ブースの設営をテーマに解説します。


ブースを考えるうえで


展示会のブースを設営するにあたってはさまざまな考え方がありますが、検討しておくべき最低限の項目があります。こちらをまず固めていくことで、おのずと大枠が見えてきます。

○検討項目
・コンセプト
・ターゲット
・予算
・展示の目玉、紹介したいもの
・目的の設定(KPI/KGI)
・ブースの設計(サイズ/ゾーニング/位置)

■コンセプト/ターゲット

通常、展示ブースのコンセプトを考えるうえで、ほとんどの企業が自社の製品を紹介したり、会社自体のPRをすることが目的になると思います。TGSではもちろん新作ゲームや人気ゲームが中心になることがほとんどです。

しかし、当社およびPTWグループは基本的にパブリッシングは行っておらず、ゲーム業界におけるサポート企業としてのPRを行うことを目的として、コンセプトを設計する必要がありました(なお株式会社CRESTのみパブリッシングも行っており、別ブースでの出展も行いました)。

そこで各ゲーム業界関係者、ゲームファンのみなさんをサポートする姿勢を体現するという意味で、「休憩処」というブースコンセプトを据え、存在感をアピールする運びとなりました。また、そこに「祭り」の要素も肉付けすることで、ゲーム業界全体の盛り上げや、来る人が楽しめる空間をめざしました。

■予算

初めてのTGS出展、しかもグループとしての出展ということもあり、ここは各社摺り合わせながら、慎重に進めていきました。まず予算をどの程度に設定するか、会社としてどのような名目での予算とするか(販促費等)、また各社でどのような金額配分とするかなどです。各社の希望や事情などを考慮しなければなりませんし、単独の出展以上に検討事項が増え、ここが正直苦労が多かったところです。

予算を設定するには、想定される物から費用を逆算していくに限ります。しかし経験が浅いと、何が必要になるか、その優先順位についてもわかりにくいところです。そこで最低でも必要な費用項目を以下にまとめてみました。はじめての方は参考にしてみてください。

・ブース出展費用
・一次電源費用
・Wi-Fi等回線費用
・ブース設計費用(ブースデザイン/壁面デザイン等)
・ブース工事費用(造作・床・壁面工事/電飾工事/システム工事費//工撤去運搬費等)
・宣伝広告費(プレスリリース費/DM費/WEB・LP制作費/チラシ・パンフ制作費等)
・動画制作費(ティザームービー/ブース紹介ムービー/コンテンツ紹介/製品紹介等)
・ノベルティ制作費
・その他必要に応じて、コンパニオン/キャスト/イベント費用など

これらの項目は、基本的に「運営企業」「ブース施工会社」「広告代理店」「イベント会社」等で見積りをとることができます。予算取りだけで連絡すると、相手も仕事なので嫌われてしまいますが、うまく情報収集しながら予算を組み、お願いできるところにはそのままお願いしていくのがよい進め方かなと思います。

■展示の目玉/紹介したいもの

ゲームメーカーでの出展の場合、その年や来年に出る新作ゲームなどを前面に押し出す、もしくはゲームメーカー保有のIPを全面に出しながら印象付けを行っていくなど、目玉や見せたいものがほぼ明確です。

ただ、繰り返しになりますが、当社の場合はそういった製品がなく、会社としての商材(動画制作やWEB制作などのリソース)を打ち出す話も出ていたのですが、最終的には「ゲーム業界全体をサポートしている」という姿勢を見てないという話になり、その姿勢をPRできるブースとして「休憩処」のコンセプトに至りました。

■目的:KPI・KGIの設定

目的をどこに設定するのか。当社としては「一人でも多くのゲームメーカー、業界関係者の方と接点をもちたい」というところを目指し、名刺の獲得数を一つの指標としました。

この設定がぶれるとどのようなブースにすべきか方向性を見失ったり、そもそも何のためにブースを出展するのかもよくわからなくなってくるので、スタート段階で設定が必須となります。

■ブースの設計(サイズ/ゾーニング/位置)

目的やブースコンセプトが設定できたら、それに沿って具体的にブースのサイズやゾーニング、位置などを検討していきましょう。

基本的には展示内容に沿った理想的なゾーニング、サイズをたたき台として作成し、それに応じて出展申し込みを行います。ブースサイズによって、展示会の位置の優遇度合いも変わるので、そこも検討材料となります。

ただ、実際にはスケジュールやマンパワーの関係で同時進行になることもあるでしょうし、展示会によってはブースの申し込みがかなり前倒しでありますので、とりあえずブースを押さえ、それに合わせたブース設計を行わなければならないこともあります。しかし、本来はこの順序が望ましいことはいうまでもありません。

ちなみにTGS2022では、当社ブースは9コマ(9m×9m)と、ビジネスソリューションエリアでは2番目のサイズだったので、かなりいい位置を優先的に獲得することができました。もちろんその分、出展費用も掛かりますが、予算をある程度かけられるのは4社合同出展の強みだったといえます。

■ブースのデザイン/演出の工夫

ブースはただ出せばいいというわけではありません。目立たせたり、気をひかせたり、差別化したり、SNSでも拡散してもらえるようアイデアを盛り込むなど、いろいろ工夫が必要です。 今回のブースで意識したのは以下のような点になります。

・「角」のアイキャッチ
ブースの「角」に祭りや夏を彷彿とさせる“シズル感”のある撮影スポットを設置し、注目されたり、拡散してもらえる工夫を施しています。コンパニオンもここでは大きく寄与しています。

・電球色で他ブースとの差別化
TGSはゲームメーカーの出展がメインとなるため、おのずとサイバー感のあるLED系の青みがかった光が全体的に多くなります。そこで「祭り」にちなんだ電球色(オレンジ系)の照明を多く使用することで、青光りするTGSの中で差別化し、目立たせる工夫を行いました。

・正面に大量の提灯で迫力を出す
正面入口に規定高さ一杯の提灯を並べ祭の壮観な雰囲気を作り出しました。インパクトがあり、実際に撮影する方も多く、拡散が狙える仕掛けだったと思います。

・休憩処
そもそも広いTGS会場。しかも人気ブースが長蛇の列とあっては、待たされる入場者もつらいところです。ベンチなどもありますが埋まってることも多く、また仮に座れたとしても、そこでちょっとした作業ができるわけでもないし、もちろん何らかの設備があるわけでもありません。

そこで当社のブース「休憩処」では、充電のコンセント完備、Wi-Fi完備、足つぼや充電器、その他必要な機能を完備するというサービス提供をしました。おかげで常に満席の状態となり、目的である「数多くの方との接点を持つ」目的も達成することができたのです。

おしまいに


いかがでしたでしょうか? 今後、出展をお考えの方がいらっしゃいましたら、少しでもご参考になれば幸いです。

なお、当社ではキャラクターイラストをはじめ、動画やWEB・デザイン・ノベルティ・SNSキャンペーン・販促物制作などあらゆる制作物をつくる機能を有しております。ソフト面での制作物はもちろん、「ブース丸ごとお願いしたい」という方もすべてまとめてお任せいただけますので、もしお困りの方がいらっしゃれば、お気軽にご相談ください。

お問い合わせこちら
sales@hike.inc

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