バフ・デバフ・DPSーー。ゲーム用語について調べてみた
突然ですが、「バフ」、「デバフ」という言葉をご存じでしょうか?
ゲーム用語では、それぞれ「強化する」、「弱体化する」という意味で使われています。しかし英語で強化というと普通は「strengthening」、そして弱体化は「weaken」や「deteriorate」と表記することが多いのではないでしょうか。
では「バフ」「デバフ」という言葉はどこからきたのでしょう……?
今回はそんな疑問を解決すべく、プレイヤーが普段何気なく使っているゲーム用語について、その意味や語源をあらためて調べてみました。
ダメージ関連の用語
【バフ/デバフ】
意味:ゲーム内の技やアイテムの効果で、ステータスが一時的に変動すること。バフは強化、デバフは弱体化を指す。
解説:バフの語源は諸説あります。「錬磨する」「たくましい」といった意味を持つ「buff」がそのままゲーム用語になったのが有力な説です。一方で、あるゲームで最大HPを増やす魔法が「buffer(緩衝となるもの)」と呼ばれるようになり、そこから転じて「buff」という言葉が「強化する」という意味で使われるようになった……という説もあるようです。
また、デバフ(debuff)という英単語はもともと存在せず、「buff」の頭に否定を意味する「de」を付けることで生まれた造語のようです。
ゲーマー諸氏の中には日常生活でも、おいしいものを食べて調子がよいと「バフがかかったぜ」、天気が悪かったりしてブルーな気分のときは「デバフかかってるわぁ」などと使われたりもします。
【スリップダメージ】
意味:時間経過で体力が徐々に減っていくこと。
解説:「下降する」「悪化する」という意味の「slip」を語源とします。また『ファイナルファンタジーV』には徐々に体力を減らす「スリップ」というそのものズバリな技が登場し、以降ゲーム用語として定着したようです。
【DPS】
意味:「火力」「攻撃力」。
解説:「Damage Per Second」の略称で、正確には「1秒あたりに敵に与えるダメージ効率」という、ちょっと複雑な意味を持っています。「DPSが高い」とは「ダメージ効率が良い=火力が高い」ことを指します。
そこから転じて、オンラインゲームでは「火力を出すことが求められる役=攻撃職」という意味でも使われます。
余談ですが、海外では火力を出す役を「ダメージディーラー(略してDD)」と呼ぶこともあるようです。
キャラクターに関する用語
【メレー】
意味:剣や槍、素手で戦う近接攻撃を行うキャラクター。
解説:「乱闘」「混戦」という意味を持つ「melee」を語源とします。
【レンジ】
意味:弓や銃などの飛び道具で戦うキャラクター。
解説:「距離」「範囲」という意味を持つ「range」からきています。
【キャスター】
意味:魔法攻撃を得意とするキャラクター。
解説:「cast a spell」で「呪文をかける」という意味になるのですが、それが略されて魔法を使うことを「キャスト」というようになりました。
【タンク】
意味:パーティを守る盾役のキャラクター。
解説:敵の攻撃を一手に引き受け、パーティメンバーが傷つかないように立ち回る役割です。その語源は「tank」の名のとおり、「戦車」だといわれています。戦車のように頑強な装甲を持つことから、盾役を担う者がタンクと称された、とされています。
ちなみにゲームによっては、敵の攻撃を自分に集めて避けることで味方を守る戦法もあるようで、そうしたキャラや戦法は「回避タンク(または回避盾)」と呼ばれています。
その他用語
【ロールプレイ】
意味:キャラクターになりきってプレイすること。略して「RP」ということも。
解説:多くのMMORPGではプレイヤー自らがキャラクターを創造しますが、その際に容姿や職業だけでなく、生い立ちや性格、言葉使いなど、データ上では表現されない部分まで詳細に考えるプレイヤーがいます。いわゆる「脳内設定」というやつです。そうした脳内設定に沿ってプレイすることをRPと呼ぶのです。また、アニメや漫画の登場人物を模したキャラを作り、そのキャラになりきることもRPの一環です。
【ヘイト】
意味:敵キャラクターの敵対心の指数。
解説:「嫌う・憎む」という意味の「hate」が語源です。ヘイトが高い=攻撃の対象になるということです。
オンラインゲームにおいては盾役を担うプレイヤーがヘイトを稼ぐことで、パーティメンバーを守ることができます。また対戦型のゲームでは、活躍することで敵チームからマークされることがあり、しばしばそういう状況を「ヘイトを買う」といいます。日常生活で使う機会は……ないようにしたいですね。
【ナーフ】
意味:ゲームのアップデートによる弱体化のこと。
解説:オンラインゲーム、特に対戦型ゲームでは、一部のアイテムや技が強すぎる場合、ゲームバランスを保つためにアップデートで性能を下げることがあります。語源は、アメリカの玩具メーカー・ハズブロ社が発売している「ナーフ(NERF)」。スポンジの弾丸を発射する銃型の玩具で、日本でも愛好家がいる人気商品です。
その昔とあるオンラインゲームで、一部の武器の性能が下方修正された際、「俺の武器がナーフ(オモチャの銃)みたいになっちまった……」という発言がなされたそうです。そこから転じて、ゲーム内のデータが弱くなることを「ナーフされる」というようになりました。
【チート】
意味:ゲームプログラムそのものを改ざんすることで、ゲームを不正に有利にプレイすること。
解説:「騙す・ずるをする」という意味の「cheat」が語源です。オンラインゲーム、ないしはインターネットに接続して遊ぶゲームにおいて、チート行為は重罪です。ゲームプレイが平等でなくなることはもちろん、改ざんされたデータが波及すると、ゲームそのものが異常をきたして遊べなくなることもあります。
ちなみにここ近年では「ずるをしているように強い」という意味で用いられることが多くなってきました。ただ語源が語源なだけに、あまりいい称号とはいえませんね。
【RMT】
意味:「Real Money Trade(リアル・マネー・トレード」の略で、ゲーム内のデータを売買すること。
解説:主にオンラインゲームにおいて入手が困難なレアアイテム、あるいは強力なキャラを育てたアカウントが売買の対象になります。
国内のオンラインゲームでは、RMTは全面的に禁じられていることがほとんどです。発覚した場合、アカウントの永久停止など厳しい処分が下ります。その一方で「RMT」とネット検索をかけると、多くのRMT業者がヒットしますので、いまだ根深い問題となっていることがうかがえます。
最後に
いかがでしたでしょうか。
なんとなく意味は知っていて使っているけど、語源まではわからない……。ネットスラング的な要素を多分に含むゲーム用語では、よくあることと思います。この記事をご覧になって、「へぇ」と心でつぶやいていただけたなら幸いです。
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