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学んだことの活用状況〜美術系専門学校・美大卒のスタッフに聞いてみた〜

イラスト、アート、グラフィック……呼び方はさまざまですが、こういったジャンルの仕事に就こうとしたとき、どんな方法があるでしょうか。

企業に所属して実戦的に腕を磨く?
あるいはフリーランスでキャリアをスタートさせる?
しかし、そういったルートはすでにある程度の技術を身につけた人でないと難しいかもしれません。

では、その「ある程度の技術」を身につけるにはどうするべきなのか。一概にはいえませんが、やはり最初は美術系の専門学校や美大で実技や知識を学ぶ人が多いのではないでしょうか。ただ、最近は独学の人も増えているようですし、学校で学ぶことがどの程度現場で役に立つのか不安に感じる方もいるかと思います。

そこで今回は、当社のイラスト部門に在席する専門学校や美大出身のスタッフに話を聞いてみたリアルをご紹介します。内容は「授業で学んだ内容が、実際どれくらい業務に役立つのか」です。もしイラスト関連の仕事を志望されていて、かつ関連の学校へ入学を検討されている方の参考になれば幸いです。

※あくまで「当社のイラスト部門」で働くスタッフに聞いたことをベースにしておりますので、その点ご了承ください。

現場で活きていること


まずは授業で学んだことのうち、現場で活用できているものについて紹介しましょう。

■デジタルツールの使い方

現在のイラスト制作は、作業性やその後の取り扱いからデジタル環境での制作が一般的です。使用するツールも当然デジタルのツールになります。その使い方についての学習がやはり役に立つという回答が多くありました。

これだけ情報があふれる時代、WEBで少し検索すれば、ツールの指南記事や動画、テクニック集という情報を得ることはできます。しかし、それらはあくまで一方的な情報に過ぎないので、どこがわからないのか、どう悩んでいるのか、個別指導などには対応していないことがほとんどです。

また、WEBの発信者は、ツールの使い方においてはプロかもしれませんが、教育・指導については本業ではないケースが少なくありません。つまり、学校の場合はわかりやすい説明、体系的に個別の指導が受けられるという点で、メリットは大きいでしょう。

特に役立った内容としては下記のようなものがありました。

・レイヤーの使い方について
・jpgとpngの違い(透過部分について等)
・解像度について(モノクロ、カラー時の違い)
・色の塗り方、仕上げ方の類型
・イラストに対するエフェクトの効果……etc.

■基礎的な実技

ほかにはイラスト制作の基本的な技術についても、「独学では何となく感覚で済ましていたであろう部分にも取り組めてよかった」との声がありました。それらについては以下のようなものがありました。

・パースの取り方
・アイレベルの設定
・ラフから完成までの制作感覚……etc.

「入試のためにデッサンに取り組んでおいてよかった」という声もありました。学校で学んだということではないものの、学校がきっかけとなって身についたスキルといえるでしょう。

■番外編:さまざまな人との出会い

「同じ夢を持つ仲間が身近にいることがモチベーションになる」、「実際にプロとして活躍する方々の生の声や仕事の進め方を目の当たりにできる」という回答もありました。

プロを目指すうえで、参考や励みになる出会いがあるというのも大きなメリットといえるでしょう。将来、同期の仲間や師匠と一緒に仕事をする、なんて日が来たらとても素敵なことだと思います。

(当社で)そこまで活用するケースがないこと


「活用するケースがない」というと語弊がありますが、なかには現在の仕事で「あまり必要としないなあ」と感じるものもあるようです。
※冒頭の注釈にも記載していますが、この章もあくまで「当社のイラスト部門の仕事」では「あまり」使ってないというだけであって、取り組む意味がないというわけではない旨ご了承ください。

・漫画の描き方、プロットやネーム作成ノウハウ
・日本画の絵具の調合方法
・キャンバスの作り方……etc.

学校の専攻内容などにもよりますが、グラフィックやアートという幅広い内容を受講すると、どうしても興味の対象外や卒業後に就く実際の職務に関係ないものも出てくるのは仕方ないところでしょう。

たとえば漫画とイラストは、絵を描くという共通項で同じものと括られてしまうことがありますが、そのノウハウにはかなり違いがありますし、デジタルとアナログの制作についても技術体系が異なりますので、互いに活かしづらい部分はあるようです。

学びに優劣はない


イラスト部門のスタッフの話を聞いていて興味深かったのは、学校がここまで広範囲に教えてくれるのだという点です。独学の場合は、どうしても自分が必要だと思ったことしか学ばない傾向になりがちなため、これは非常に大事なことかもしれません。

というのも、美術系の仕事来に限らずですが何かに取り組むとき、その分野とは違う知識やノウハウがブレイクスルーになることがしばしばあるからです。有名なエピソードとして、あるJAXAの小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」には日本の折り紙の技術が用いられていたり、500系新幹線の静音技術にはフクロウの羽をヒントにしたものがあったり、そういう着想は広く学ばなければ得られません。

スタッフからも「使えないものはないと思います。イラストと関係ない授業でも経験だし、どこかでその知識が役立つかもしれないので」というコメントがありました。

最後に


いかがでしたでしょうか。少し曖昧な結論にはなりますが、専門学校や美大で学ぶことは、結局は自身の学び方や取り組み方次第でいかようにでも活用できる、ということになりそうです。

その点でHIKEにはイラスト部門のほかにもアニメーション事業、ゲーム事業など多様な部署があり、学んできたことを活かす機会に富んでいます。事業拡大により、各事業部では採用活動を積極的に実施しています。もしこれまで学んできたこと、もしくは現在学んでいることを活かす場としてHIKEにご興味を持っていただけた際は、ぜひご応募ください。

■HIKE採用情報

グラフィックデザイナー

デジタルアニメーションスタジオ「100studio」



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