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わかりやすいライティングのコツ〜不定期連載(1)〜

皆さんは普段、どの程度、文章を書いているでしょうか。社会人であればメールやチャット、報告書や企画書といったビジネス文書、学生であればレポートや論文、ほかにもブログやSNSなどもありますね。ひと頃、若者は文章を書かなくなったと言われていましたが、実はITの普及によって、文章を書く機会はむしろ増えているのが現状です。

ただ、自分の文章がどのぐらいのレベルか気になったことはありますか? よく考えると、文章の書き方について習う機会は実はそう多くないはずです。ビジネス文書も先輩の見よう見まねだったり、フォーマットを丸写ししたり。おまけにSNSの短文にすっかり慣れてしまい、いざ、きちんとした文章を書こうとした際に苦労した経験はないでしょうか。

そこで今回から数回にわたり、文章の書き方についてご紹介してみます。「書くのはどうも苦手で」という人も、実はコツを知らないだけかもしれません。文章はコツさえわかれば上達しますし、悪い点を修正するだけで格段に読みやすくなります。この記事が、ライティングのテクニックを身につける一助になれば幸いです。

ちなみに、ここでいう文章とは ビジネスや学校で使う実用的な文章を想定しています。おもしろさを求める文章、たとえば小説やエッセイなどはここでは含みませんのでご注意を。


よい文章とは?


そもそも「よい文章」とはどういう文章なのでしょう。文章の種類にもよりますが、文章を書く目的は、読み手にメッセージを伝えることです。その目的を達成するためには、読み手が苦労せずにスラスラ読めて、内容を理解しやすく、間違っていないことが大切です。

つまりポイントは以下の3つ。

・わかりやすさ
・読みやすさ
・正確さ

まとめると、「よい文章」とは、「ストレスなく読むことができ、論旨がスムーズに伝わる文章」ということができます。極論すれば、文章を書くためのコツは、すべてそのためのテクニックといえるのです。

読み手を意識する


文章を書く前に注意すべきことが2つあります。ひとつは読み手がどのような人たちかということです。顧客、取引先、上司、部下、先生、生徒、友人等々。伝えたい内容は同じでも、相手によって説明の仕方を変えないと、わかりにくい文章になってしまうからです。

といってもそれほど難しいことではありません。相手が目の前にいる場合、どういう話し方をしようと考えることはあまりないと思います。会話をするときに、自然に(しかも瞬時に)相手によって話し方を変えているはずです。

文章でも同じことが言えます。小学生に読んでもらう文章なら、漢字は少なくしようとか思いますよね。目の前に読み手がいると意識さえすれば、自然に文章も変わってきます。

構成を決める

①内容を整理する

文章を書く前に注意すべきこと、そのふたつめは前もって構成を決めておくことです。いきなり文章を書きはじめるのではなく、あらかじめ書きたいことを抜き出して、どんな展開で書くのかまとめておくとよいのです。

できれば「見出し」まで考えておくと、自分の書きたいことがよりイメージしやすくなりますが、慣れないうちはメモ程度でかまいません。

とはいえ、要素は抜き出すことができても、それをどういう順番でまとめればいいのか、悩む人が多いのも事実。でも大丈夫。わかりやすくまとめられる構成のコツがあるのです。

②「結論」を最初に書く

実は文章の構成には、いくつかの型があります。「起承転結」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これも文章構成の型のひとつです。

PREP法

文章の種類によって型も使い分ける必要があるのですが、とりわけ要点をわかりやすく伝えるときに有効なのが、「PREP法」というものです。

最初に結論(Point)から書き、続いてその理由(Reason)、具体例(Example)、最後に再び結論(Point)とまとめます。それぞれの頭文字をとってPREP法というわけです。文章を最後まで読んでもらうため、大事なこと(結論)は最初にもってきて、その後に理由や詳細を説明します。要点の強調だけでなく論理的、スピード重視という特徴があるため、特にビジネス関係やニュース記事、WEB記事などに向いています。

【構成の具体例「PREP法」】
————————————
・Point(結論、要点)「年末キャンペーンにSNS◯◯を活用しよう」
   ↓
・Reason(理由)「SNS◯◯を使えば新規ユーザーが見込める」
   ↓
・Example(具体例)「SNS◯◯における当社のゲームのターゲットである20代男性の利用者は○%、ゲーム関連の投稿も高いなどなど」
   ↓
・Point(結論、要点)「SNS◯◯で年末キャンペーンを始めよう」

このようにPREP法にそって構成を決めるだけで、文章を書くことが非常に楽になります。仕事や学校で書く文章に、実はそれほど複雑な構成のものはありません。PREP法を理解しておけば、たいていの文章をカバーできるようになるでしょう。

ちなみにPREP法のように結論を最初に書くことが絶対ではありません。
特に会社で書く書類などには、決まったフォーマットがあることが多いと思いますが、それらも参考になります。
たとえば「ホワイトペーパー」と呼ばれる営業ツールなどがいい例です。

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーの場合、書き手としては自社の「商品やサービスの紹介」をもっとも伝えたいところです。しかし、読み手のもっとも知りたいことは、この商品やサービスがいま「困っていること=課題」をどう解決してくれるのかということでしょう。その課題を先に提示することで、読み手の共感を得て、同時に解決への導線とするわけです。

なお、先ほどあげた「起承転結」ですが、これはあくまで物語を書くために効果的な構成であり、一般の実用的な文章を書くときには不向きです。

ビジネスにかぎらず実用的な文章では、情報をいち早く伝えることが重要です。起承転結は基本的に時系列での説明となり、結論までの過程が長くなるので用いないようにしましょう。

最後に


いかがでしたでしょうか。「わかりやすいライティングのコツ」の第1回目は、まず「良い文章とは何か」というところから始め、文章を書き始める前に知っておきたいことをまとめてみました。

次回以降では具体的な文章の書き方について説明していきます。不定期にはなりますが、どうぞご期待ください。

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参考