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クリエイター向けポートフォリオの作り方

ポートフォリオという言葉を聞いたことはありますか。一般的にデザイナーやイラストレーターなど、クリエイターと呼ばれる人たちが、自分の実績を紹介するためにまとめた作品集という意味で使われています。

英語ではPortfolio。実は直訳すると「書類入れ」とか「書類カバン」といった意味で、作品そのものを指すのではなく、作品を入れるケースを指しています。ポートフォリオの本質は、さまざまな資料をその日の目的に応じて入れ替えて使うこと。ですからポートフォリオは1回作ったら終わりではなく、相手や目的に応じて、いろいろと使い分けていくことが大事になります。

今回は当社が関係するクリエイター分野でのポートフォリオについて、どういうふうに作れば効果的なのか、どうすればアピールできるのか、当社の経験などをもとに簡単に紹介してみたいと思います。転職活動やフリーランスとして売り込みを考えている方の参考になれば幸いです。

※ちなみに、業界が変われば、ポートフォリオの意味も変わってきますのでご注意を。たとえば金融や投資関係では現金、預金、株式、債券、不動産など、投資家が保有する金融商品の一覧を意味し、教育分野では生徒のレポートや試験用紙、活動の様子を記した書類や画像などの個人評価をまとめたツールを指します。

効果的なポートフォリオとは?


さて、クリエイターが実績紹介のためにまとめるポートフォリオ。クリエイターといってもその業務範囲やジャンルは千差万別ですが、ポートフォリオの作成におけるポイントはある程度共通しています。ここからは当社の採用時やフリーランスの方との打合せなどで、チェックしているポイントを簡単に紹介してみましょう。

■目的に沿った作品をアピールする

何といっても重要なのが、使用目的にあったポートフォリオにすること。上でも書きましたが、ポートフォリオは「書類カバン」。中に入れるものは相手や目的に応じていろいろと変えていくことが必要です。

応募をする企業の募集要項をよく読み、応募先が知りたい実績を中心に制作するようにしましょう。いろいろできることをアピールしたい気持ちはわかりますが、たとえばエディトリアルデザイナーが転職活動をする場合、エディトリアルデザイン以外の実績を載せても、無駄とはいいませんが効果は低くなります。

また、扱うものが書籍なのか、雑誌なのか、あるいは広告なのか、その点でも求められるものは変わりますし、さらには固い業界での媒体なのか、エンタメ系なのかでも変わります。

当たり前のことに思われるかもしれませんが、意外にできていないことも少なくありません。自分が入社した場合、どのように活躍できるのかということがしっかり伝わるポートフォリオを目指しましょう。

■作品の情報を細かく明記しよう

ポートフォリオは単に作品を並べるだけでなく、情報も一緒に掲載することが大切です。ここではどのような情報が必要になるのか、具体的に説明していきましょう。

①担当した案件名やプロジェクト名

②メインビジュアル
全体の構成や雰囲気が伝わるようにします。制作物そのものだけでなく、場合によっては掲載された媒体ごと、たとえば雑誌のページごと、あるいはモニターで表示された状態で載せるとわかりやすくなります。

③作業範囲
その案件やプロジェクトで自分が担当した個所を記します。WEBデザインであれば、本当にデザインだけなのか、コーディングも行ったのか。シンプルに自分のスキルが問われますから、しっかりとアピールしましょう。言わずもがなのことですが、できないことをできると書いてしまうと、あとで大変なことになるのでご注意を。

④作業時間

⑤コンセプト
制作意図や狙いを記します。テーマや方向性が落とし込まれているか判断されるもとになりますので、簡潔でかまいませんが、どのような点を意識して制作したのか、わかりやすくしっかり記載してください。

⑥アピールポイント
こだわった点、工夫した点も重要です。使用したツールやアプリケーションなども、スキルのレベル感をみてもらうのに有効ですし、新しい技術や特別な技術などは、クリエイターとしての姿勢も高く評価される場合があります。

WEBと紙、どちらがいいの?


ひと昔前まではポートフォリオといえば紙でしたが、今では基本的にどちらでもかまいません。それこそ見せる相手や使う目的で使い分けるとよいでしょう。

ただ、WEBデザイナーやコーダーであれば、自分でポートフォリオサイトまで作成して見てもらえれば、それだけでスキルのアピールにつながりますし、サイトそのものも評価の対象にできます。自身でノートPCやタブレットを持参すれば面接時も問題ありません。

イラストレーターも最近ではデジタル化が進んでいるので、こちらもノートPCやタブレットで見せてもよいですし、既存のポートフォリオサービスなどを利用する手もあります。

反対に紙専門のエディトリアルデザイナーの場合は、ポートフォリオ自体が制作物として判断されることが多いので、紙の方がよいかもしれません。なお、紙の場合は一部だけでなく、最低でも二部は持参しておくと、相手が複数人のときに便利です。

作品はどのぐらいあればいいの?


自分自身を売り込むわけですから、その検討材料として数が多いにこしたことはありませんが、多すぎるのも問題です。面接や打合せ等で自分が説明する時間を考えると、多くても10点あれば十分でしょう。ただし、1つとか2つであれば少なすぎます。

守秘義務について


過去にクライアントの依頼で制作した作品を掲載する場合、守秘義務には注意してください。場合によっては案件名や作品そのものを明かしてはいけないことがあります。

ただ、重要な実績でどうしてもアピールしたい場合は、具体的な案件名などは伏せて説明するしかありません。判断に難しい場合もあるでしょうが、クライアントに事情を伝えれば、許可をしてくれる場合もありますので、まずは相談してみるとよいでしょう。

最後に


いかがでしたでしょうか。簡単にではありますが、今回はポートフォリオの効果的な作り方をご紹介しました。まだ作ったことがないという方もいらっしゃるでしょう。そんな方は、まずは作品の情報を整理するところから始めてみるといいかもしれません。そしてHIKEとお仕事の関連や採用などでポートフォリオをお送りいただいた際には、しっかりと拝見させていただきますので何卒よろしくお願いいたします。

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